-No.1622-
★2018年03月01日(木曜日)
★11.3.11フクシマから → 2548日
★ オリンピックTOKYOまで → 876日
*年度替わりの日に「春の嵐」*
◆「いいよぅ」北見、「そだね~」常呂
3回にわたってお伝えしている「2018オリンピック」考。
今後、折りにふれて考察をすすめたい【テーマ】を、思いつくかぎり数え上げながら、記憶にのこったことを記してみたい。
2回目は、今大会のピックアップ・メモ-その2-。
◆やっと〝北の国〟に定着した「カーリング」
「いいよぅ」
「そだね~」
女子選手たちが交わす明るい北海道弁のやりとり。
おおかたの予想をくつがえしての銅メダルが、冬のテレビ桟敷を熱くした「カーリング」。
いっぽうで。
試合の途中で「お茶っこ」(これも「もぐもぐタイム」と呼ばれて注目を浴びた)するんですもんね。
「あの競技ばっかり、ずいぶんテレビにちやほやされてないですか」
「ぜ~んぜんスポーツらしくないのよねぇ」
新らしい競技ゆえの、素朴で無理解な意見もあった。
競技のありようも「わかったようで、いまひとつ?」。
事実、技術・戦術にはかなり奥深いものあるので、詳しい説明はここでもはぶかせていただいて…。
なにはともあれ、一般にはまだもの珍しい「カーリング」。
その特徴を整理しておくと。
〇身体能力の高さよりも、メンタリティー(知的な能力)を要求されるチーム・スポーツ
1、事前の予測
2、経験から得られる相手行動の先を読む能力
3、ゲーム展開による戦術の切り替え、たてなおし
*マインド要素のおおきい点が「チェス」に譬えられる
4、高いコミュニケーション能力
〇技術的には正確さが第一で、これは先天的な能力というより、経験量や練習量による
1、瞬発力・動体視力といった能力の要求度は、ほかのスポーツと違って高くない
2、加齢の<マイナス要素>を経験の<プラス要素>が上まわる
*馬術競技と並んで選手寿命が長いことで知られる
3、男女間の成績の差も少ない
〇ゴルフと同じ<セルフジャッジ>競技で、基本的に審判員を必要としない
1、途中のエンド終了時、勝ち目がないと判断したときは、みずから負けを認めてよい
2、コンシードと呼ばれるこの習慣は、相手に握手をもとめるカタチの実現される
*こうした<フェアプレー>をモットーするのが「カーリング精神」
ついでに、あえて蛇足をくわえれば、必要なのは「滑る足下への注意」くらい、比較的安全なスポーツである。あと、ハードルになるのは競技費用だけ。
【テーマ4/選手個人&競技団体の費用問題】
……………
以上。
ともあれ。
確率を追求する<理詰め>の試合展開から「氷上のチェス」とも呼ばれる「カーリング」だけれど。
ボクは、このさい「氷面のビリヤード」の別名を提案したい。
実際、「ビリヤード」の経験ある方には、この競技の妙味、じつに理解しやすいからである。
……………
スコットランドでの発祥は15世紀という、古典的なスポーツ(リンクや用具の寸法はいまもヤード・ポンド法)ながら。
日本で、この競技が本格的におこなわれ始めたのは、1980年。
北海道オホーツク海沿岸の常呂〔ところ〕町。
(町はその後、06年に北見市と合併)
この年、カナダ・アルバータ州との姉妹提携を機に、北方圏センター(現在の北海道国際交流・協力総合センター)が道内各地で開いた「カーリング講習会」が発端。
じつは、この時期にボクは、記者招待で現地を訪れている。
この北辺の地(…といっていいと思う)に1988年(昭和63年)1月、日本初の「常呂町カーリングホール」ができる、たしか直前の頃のことだったと思う。
「カーリング」という〝耳新しい〟氷上競技の、ごくごく初歩のレクチャーを受け、こわごわストーンを投げ(滑らせ)させてもらった、けれども、スウィープ(ブラシで掃く)なんてトンデモナイ。
ただ、前述したとおり「ビリヤード」の経験をもつボクには、じつにオモシロく興味深かった。
「これはイケル」と感じたボクはエールをおくったけれど、広報宣伝と費用面の課題が重いことも正直にお話しさせてもらった。
じつは、ボク自身に、ハマリそうな感覚があって。
<氷上の感覚>と<地理的な間隔>がクリアできれば、きっと参加していただろうと思う。
が、このハードル、東京者には、どうにも高すぎた……
そうして、それからの「北見(常呂)カーリング」の道のりは、(ボクは知らないでいたけれども)キビシかったろうと思う。
なにしろ国の中央<東京首都圏>でのことではない、のだから。
たとえば現実に、東京でもたしか、品川スケートセンターだっかに一時「カーリング」設備ができ、チームも出来た記憶があるが、その後は立ち消えている。
関係者各位の努力があって、やっと、ここまできた日本の「カーリング」。
オリンピック競技としての採用は、1988(昭和63)年の長野大会から。テレビ中継で認知度がおおきくなったのは02(平成14)年ソルトレイクシティーオリンピックのことだった…覚えてますか。
つまり、これも典型的な<北の文化圏>なかでも<氷の文化圏>のスポーツ。
地球上に占める割合、文化圏としても大きくはなく。
「カーリング」というチーム・スポーツの色濃い性格からも、競技人口は少なく、中央からは遠い。
この競技の<代表>は、いつも<選別・混成>されたものではなく、最優秀の<個別チーム>である。
今大会メダルに輝いた女子の場合でも、「カーリングチーム」はあくまでも、
「ロコ・ソラーレ/LS北見」www.locosolare.jp。
こころある方は、応援の声を、手を!
……………
たちもどって、<オリンピックのあるべき姿>を考えるとき。
この「カーリング」がなげかけたテーマも、じつは小さくない。
①この競技には、予選、参加全チームによる総当たりリーグ戦方式が採用されたこと。
②結果、テレビ放映の時間もトータルで長かった(選手・チームの活躍と注目度にもよる…けれども)
ようやく陽の目をみた競技には、酷にすぎるようだけれども。
オリンピックの将来、その存立をもふくめて問われているいま現在の状況からすれば、このことも含めて賢明な考察が必要なことはいうまでもない。
【テーマ1/ふえつづける競技数と種目数】
【テーマ2/選手の所属と競技への取組と強化】