どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

辰巳水泳場と2020オリンピック用新施設地を見る

-No.1612-
★2018年02月19日(月曜日)
★11.3.11フクシマから → 2538日
★ オリンピックTOKYOまで →  886日









◆「オリンピック」ってなんだ?

 10日(土)夜、平昌オリンピックの開会式をテレビ中継で観ていたら、ただただ気分シラジラと<しらけ>てくるばかりだった。
 2時間半の放送が、やたらに長く感じられたのは、今大会もそれなりに知恵と工夫を凝らして演出にこれ努めたとであろう…が、しかし底流するのは、すでにスッカリきまった形どおりの繰り返しにすぎず。泛ぶ想いはひとつ、

「オリンピックって、なんだろね」

 もはや、オリンピックの栄誉は選手個人に与えられるもので国に与えられるものではない、などとあらためてオリンピック憲章をもちだすのも気が退ける。
 日本のメディアもこぞって、カメラはスタンドに米朝関係の美妙な構図をもとめ、自国のメダル獲得予想にふける。

 国際オリンピック委員会(IOC)もまた、むしろ積極的にまきこまれての、政治&スポーツ混合ダブルスイベントに堕するのもやむなし、ならば。

「オリンピックなんて、やめちゃえば」
 いまは競技別の世界選手権もあることだし。

 ……………

 あるいは、このさい、まったく別の次元に飛躍してしまってもイイのかも。
 つまり、ぐちゃぐちゃリクツはぬきにして、<南北朝鮮の統一>という国際的にも大歓迎すべき動きに弾みをつけるべく、全世界が協力・支援して、ですね。

「もう2~3回つづけて、朝鮮半島でオリンピックを開催しちゃどうです」

 それで、この地球の人類に〝融和〟と〝平和〟がもたらされるなら、<政治がらみのオリンピック>にだって大逆転の、<救世主の賞賛と栄誉>が与えられることでしょう。

 ……………

 もうひとつ。
 これは、思ったほど、おおきな反響にはならなかったようですけれども。
 ネットのホームページ「SUMUFUMULAB(住むふむラボ)」のコラム、2017年11月22日付け『反東京五輪宣言』。
 書いたのは、元ラグビー日本代表で神戸親和女子大講師の平尾剛(42)さん。

 これまでにも、五輪開催反対や返上論はさまざまあったけれど、選手(アスリート)の立場から声が上がったのは初めてではないか。
 (ただし、バリバリの現役ではない。オリンピックに出られる可能性があって、メダルそれも金をねらえるような存在なら、やっぱりそんなチャンスを逃したくはないから無理もないが…)

 論旨は明確で。
 ①オリンピックは巨大公共事業の口実であり、国民の税金を堂々と私物化するための体のいい名目。おまけに招致には裏金疑惑が絡む。
 ②「アスリートファースト」という表現はこれらを隠すための言葉にすぎず、現実は開幕から運営までいっさいが競技者なきところで決定されている。
 ③オリンピックに勝つための戦術策が競技本来の魅力を剥奪、結果スポーツを駄目にしている。国家ぐるみのドーピング疑惑など、勝利至上主義が五輪を蝕んでいる。

 こんどの平昌オリンピックでも、その露われが、いくつか現れてきそうな気がしてならない。

 ……………

 さて、前回(2月17日)記事で「東京スイソミル」を訪れたぼくは、そのアシを延ばして同じ江東区内の辰巳国際水泳場まで歩いた、ときは11月下旬のこと。

 潮見地区から辰巳へは、東雲東運河に架かる七枝橋を渡ってまもなく。
 水泳場に向かう途中には、「辰巳の森海浜公園」という広大な敷地の市民公園がある。そのかなりのスペースを割き、当分のあいだ立入禁止にして、巨大プロジェクトが進行していた。
 ここに、2020TOKYO大会の水泳会場として「オリンピックアクアティクスセンター」ができる。

 その規模、地上5階・地下1階建て延べ床面積7万7700㎡、大会時観客席2万席(大会後は縮小して地上3階・地下1階建て4万6600㎡、5000席)。50mのメーンプールとサブプールに飛び込みプールまで備えて、総事業費は683億円。完成予定は19年12月。

 緑の園内の、どこからでもスグソコ、それこそ指呼の間に現役「辰巳国際水泳場」の、それなりに貫禄があって容子もいい建物が凛と見えている。
「やっぱ…もったいないと思うよねぇ」
 犬の散歩にいつも来るという老爺がつぶやく。

 モッタイナイ…この<日本文化そだての親>ともいえる言葉も、いまは早や死語に近づいたらしい。しかも、
 モッタイナイ…という意味が「せっかくある建物を壊して新しく造ること」を指していない。チガウのだ、「新しいのを造ったうえに古いのまで両方のこす」東京都の方針を言っている。

 現役の辰巳国際水泳場の方に行って見る。
 こちら、世界水泳やオリンピック選考会など国内外の主要大会開催用にと、1993年に開館した地上3階・地下2階建て、延べ床面積2万2319㎡の施設にも、往時181億円の事業費が投じられている。プールも新設と同規模のものを備える。
 (ここは2008年、あの北島康介選手が200m平泳ぎで世界新記録をだしたプールでもある)

 ふだんは一般にも開放されているプールに子どもたちの声が響く、その内部はたしかに年を経た歴史を感じさせるけれど、とくに目立った遜色もない。
 ただ、観客席数(固定3600席、仮設1400席)がオリンピック大会規定(?)に充たず、運河に面した立地は大規模改修もむずかしいため、という。
 (国際オリンピック委員会というのは、建て前、規模縮小や費用節減を訴えながら…開催国それぞれ大小の国柄や諸事情を顧慮しようとしないのは、どういうことか。つまるところはカネにならないからではないのか…)

 しかも、辰巳の方だってすでに老朽化対策として、12年度から大規模な改修工事を進めてきており。
 そんなこともあってか、こちら辰巳国際水泳場は2020大会では水球会場にして(かつて経済大国のユトリってわけですか…)、大会後は、(水泳場の役割は新しい施設にゆずって)また別の用途を考えたい、という。

 ちなみに、前回1964年の東京大会で競泳・飛び込み会場となった代々木第一体育館は大会後、プールに床を張っていまはバレーボールの世界大会やコンサート会場にも生かされれている、が。
 辰巳の場合には、はじめから、プール以外の使い方を想定されてはいないのだ、と。
 なんとも、チグハグなことではある。

 地元の江東区では「アイススケート場に」と望んでいるとか、だけれど。
 アイススケートだけで、年間5億円弱とされる維持費(アクアティクスセンターの分はまた別)を捻出できるわけもない。

 ……………

 「一度手にしたものは二度と手放したくない」のが人の心理とはいえ、この水泳場をめぐるアレコレを見聞きすると、なにか裏にはもっと仰天な事情が潜んでいるのかも知れない、そんな気さえしてくる。

 辰巳国際水泳場のエントランス辺りから眺めると、あらためて間近な新設「オリンピックアクアティクスセンター」の工事現場。
 水泳場に子どもを連れて来た保護者の方が、訪問者には広々と見える周囲を見渡して言う。
「このままだと駐車場がたりないと思いますよ」

 ……………