どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

<水素>燃料電池自動車に乗ってみたくなった

-No.1610-
★2018年02月17日(土曜日)
★11.3.11フクシマから → 2536日
★ オリンピックTOKYOまで →  888日





高齢ドライバーの一人として

 哀しい操作ミスや認知症まがいの事故が絶えず…
 高齢ドライバー包囲網はジリジリ狭まるばかり…

   80すぎて「交通刑務所」暮らし
   高齢ドライバーの皆さん、それでもまだ運転しますか?

 と、週刊誌までが真綿で首を絞めにかかる始末…

 いま、シンケンに「運転免許証の返納」を考えている人は少なくない。
 家では、かみさんも「返納組」入りしているが、彼女の場合は元来が〝ペーパー〟もっぱら助手席派のゴールド免許ドライバーであったから、これは話が別。

 ぼくも齢70をすぎて、すでに一度、免許更新時に高齢者講習を義務付けられている。
 そのときの自覚症状を正直にいえば、いい意味でのゴマカシも含めた反応の機敏さが、たしかに鈍ってきていた。

 いやでも自身、運転免許「返納組」入りの時機を思わないわけにはいかない。
 が、(いずれ言えなくなるのだろうから)いまのうちに、これだけは言っておきたい。

 そのスジには、はやくも「高齢者運転制限もしくは禁止」の考えがあるようで、試案もいくつかあるようだ、けれども。
 頼むから<一律>に<十把ひとからげ>的な規制・禁止だけはヤメてもらいたい。

 そもそも人は<個性的>なものだし、したがって<個人差>もおおきいのである。
 はっきりいえば、教習を受けた地域、個々の教習所によってもチガウ。
 教習された知識が後日のアテにならない、免許取得時ペーパーテストの問題もある。

 もっというなら、<経年減退>と同時に<積年キャリア>もあるのだ。
 ちなみにボクは、1980年に免許を取得しているから運転キャリアは38年、その間におよそ地球(赤道全周約4万kmとして)を少なくとも5周はしている計算になる。
 
 べつに偉そうに言うつもりはない。
 その間には、さまざまな実地経験をかさねて、〝ねずみ捕り〟にもずいぶん引っ掛ったし、反則金もそれなりに払わされてきた。
 いま振り返って自身フシギなのは、一度もゴールド免許を受けた経験のないことだが、それも走り慣れた定期コースらしいものをもたない旅がらす(取材)ドライバーの、いわば宿命みたいなものだと思っている。

 免許をとってしばらく、いちばん生意気な思い上がり時分には、「おれの運転は…うん…うまいほうだろな」自惚れたこともあったけれど、いまになってみれば(おぅ…危ぶねぇ…危ぶねぇ)身のほどをしっかりわきまえるようになって。
 気がついてみれば、おかげさまで「免停」も「免許取消」もなしにすごして、いまがいちばん安全運転の時機にある。

 オカミの癖は、とかく性悪説に片寄ることで、<取り締まり>ばかりだ、が。
 高齢社会化の地域にあっては、緊急時以外の日常のあれこれ便利には、むしろボランティア・ドライバーの確保こそ至上命題でもあるのだ。

 そんなこんなで、いっそう身のひきしまる思いの、きょうこのごろ。
 自動車ディーラーの担当者は、さかんに「自動運転装置」の利点を宣伝する、が。
 ぼくは、言う。
「ぼくの運転のクセを見抜いてく助けてくれるほどの装置なら考えてもいい…けど、ただ安全なだけの、認知症を助長するばかりの装置ならゴメンだね、それくらいなら免許返納したほうがまだマシじゃないか…きみ、そう思わない?」
 すると、彼も根っからの車好きは、コトバもなかった。

 ………前置きが長くなった………

 そんなボクが、ふと、みずからの人生で運転する最後の車…というのを考えた。
 そしたら、それが<水素>燃料電池車だった。

 「エコカー」と呼ばれる、じつに耳に聞こえのイイ車が喧伝されはじめたときにも、ぼくはぜんぜん乗り気にはならなかった。
 (ガソリン・エンジンを使わない)電気自動車といい、あるいは、(エンジンとモーター二つの走行装置をもって使い分ける)ハイブリッド車といっても、結局は、なんらかの装置によって発電された電気に頼らなければならない、のであれば、それなら「エンジンの環境性能を向上させた」ガソリン車をエコ意識をもって運転すればいいのではないか、ということだからだ。

 この考えはもちろん、(原因物質の特定にはまだ至っていないものの…)地球温暖化を抑止するための、なにか革命的な新方式が見つかってほしい、期待に裏うちされているものだ、けれども。
 どうやらそれも、ぼくの命あるうちの実現はむずかしそうな雲ゆきであり、困っていたところへ、ヒョイ…と<H₂O>が顔を見せた、というわけだった。

 それは、最初に「化学」の教科書を開いたときの衝撃に直結する。 元素周期(記号)表の第1番、端っこに「H(水素)」なるものがあり、あと、なにやらウジャウジャっと連なる<あやかし>の一味のなかに「O(酸素)」が混じり、しかして、その化合物なる実態が「水(H₂O)」だという。
 なにしろアレヨアレヨ…のマジカルな世界。

 想えば、以来ずっと、ぼくは魔法のお城の囚われ人みたいなものだが。
 その、いわば門番みたいな、これまで冷たい素振りの背中しか見せなかった「水素くん」が、なにを思ってか振り返ってニッコリ、「わたしでお役にたてませんかね」と……

 しかし、「化学」に警戒心のつよいボクは、「キミって、ほら、火が点くとドッカ~ンって爆発するんじゃなかったっけ」
 (ぼくのアタマには原子炉の水素爆発のことがあった…)

 だが「水素くん」、やや困惑気味の笑みをたやさず。
「まぁ、それは…絶対に危険ナシとは言えませんが、事故回避の安全対策アリ、技術的な信頼もアリですよ。いまどきの棄権リスク・ランクから言ったら低い方じゃないですかネ」
「それにね、なんてったって、はじめっからおわりまで、つまり原料から後始末までクリーンだってのが、いいじゃありませんか」
「スイソミルってのがあるんです、散歩してみません?」

 「水素くん」が言うのは、東京都が運営する水素エネルギー情報館のこと。
 「東京スイソミル」は、江東区潮見1丁目。JR京葉線「潮見」駅からちょと歩く、交通の便から推して、ごく初歩的な発信〝基地〟らしく、初心者には手頃かも知れない。

 いちおう、燃料電池エネルギーの基本と、メリット&デメリットを調べてから出かけた。
 【燃料電池
 水素などの燃料から化学反応によって電力をとりだす(発電する)電池で発電効率がよい。従来の発電による電力を蓄えておく蓄(充電)電池とは異なる。ちなみに電気自動車に使われているのは蓄電池。
 【燃料電池のメリット】
 ①燃料の水素は、さまざまな原料から(バイオマスなどクリーンなものからも)製造できる
 ②二酸化炭素や有害ガスを排出しない(排出するのは水だけ)
 ③ガソリン車に比べエネルギー効率は2倍
 【燃料電池のデメリット】
 ①コスト(燃料電池そのものの価格も、貯蔵・搬送費も)が高い
 ②補給ステーション(GSスタンドのような)が少ない

 ………………

 「東京スイソミル」は、小さな町なかの一画。首都高深川線と重なる三ツ目通の近くにあった。

 路地入口の角地を占めて大手のガソリンスタンドがあり、これが「水素ステーション」を兼ねている。
 (ハハ~ン)と、現状の水素クリーンエネルギー、およびその業界事情が伺い知れる。

 なんたって…いま現在ニッポンの水素ステーション数、大都市圏を中心に未だ100にも充たないのであった。

 さて「東京スイソミル」の小規模な施設とその展示。
 燃料電池自動車と燃料補給の仕組みの展示ほか、新らしい水素エネルギー社会の実現を目指すエネファーム(家庭用燃料電池コージェネレーションシステム)など企業と製品の展示コーナーもあり、「水素ってなに?」を知り、発電の実験と体験、遊んで学ぶ仕掛けの展示はすべて、おもに小・中学生向け。

 ほんとに必要なのは、むしろ、いま現在の大人むけ知識普及事業ではないか…と思うのだが、現実にはなかなかに高いハードルなど考慮すると、やはり、将来次世代を担う子どもたちの分野になるのかも知れなかった。

 展示の案内などにあたる若い女性スタッフに、「燃料電池自動車、いま、いくら?くらい」を訊ねてみた。

 その回答によれば。
 日本でも、主要な自動車メーカーが長年研究開発を進めている将来的に有望視される燃料電池自動車だ、けれど。現在、市販されているのはトヨタの「MIRAI(ミライ)」と、ホンダの「クラリティ フューエル セル」の2車種のみ。

 価格は700万円を超えるが、国や地方自治体による補助制度を使えば220万円程度は安くなる、とのこと。それでも国産の高級車なみで、せめて中級車なみまで下げられないとムズカシそうではある。

 しかし。
 では、ぼくはアキラメたかというと、そうでもない。
 根が<へそ曲がり>にできている、所為もある、が。
 水素社会への取り組みが本格化するのは、おそらく2020年オリンピック後。そして、ボクが齢80になる頃が〝水素時代〟の黎明になる…とすれば、それまでに、まだナニがおきるかワカラナイ……