どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

《11.3.11》被災地東北、18次<巡訪>/ ㊸11日目(3)六ケ所村(下北)の風力発電      今回のテーマ[つぎのステップにむけて]

-No.1540-
★2017年12月09日(土曜日)
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◆下北は風の半島

 …である。
 斗南藩のむかしから、人々は冬の寒気を倍加させるこの風に悩まされてきた。

 大きな<まさかり>に譬えられる下北半島
 地域によって、その日本海式気候とされる気候にも差異があるわけで。
  〇西通り(陸奥湾岸)は、夏は暑く、冬は雪が多い。
  〇北通り(津軽海峡側)は、海峡に卓越する強風のせいで寒いが、降雪も積雪も少ない。
  〇東通り(太平洋岸)は、夏は北東からの季節風「やませ」がつよく、山間部では冬の降雪・積雪が多いが、沿岸部では少ない
 …というように。

 その名も<東通村>には、東北電力東京電力東通原発があり。
 同じ東通り気候の隣村、<六ケ所村>には大手電力会社でつくる「日本原燃」の核燃料「再処理施設」など関連施設群が集中する。

 《11.3.11》から始まったぼくたちの<遍路・巡訪>。
 下北の地を見すごしにできなくなった理由のひとつが、コレ。
 
 福島第一原発の爆発事故がなければ、その被害の深刻さここまでのことはなかったのである。
 そうして、あらためて気がついてみると。
 いくら「安全」と宣伝されても、じつはやっぱり「危険」この上ない原発というのが、いずれも、どこでも、人口少なく過疎で経済的にも自立のむずかしい、はっきりいえば「貧しい」地域に狙いをしぼって立地する。

 そんな大都会からは遠隔な地でつくられた原子力の電気が、減衰というリスクを背負って遠路運ばれ、大都会の消費をささえている構図。
 <近海マグロの大間>にも、新たな原発建設がすすむ下北という地域も、まさにこの構図の典型といっていい。

 そうして…。
 訪れはじめて、気がついたのは「ここには風(のエネルギー)があるじゃないか」ということであり、「あるじゃないか風力発電も」であった。

 こうして見なおしてみると、じつは、原子力発電と風力発電(ほかの再生・再利用可能=自然由来エネルギーも同じ)とは、似かよった立地環境にある。
 ならば、原発依存に見切りをつけ、<風力発電の下北>で再生できないか。

 そう思いつづけているボクがある。
 このたびは、そこで、いまは<原発銀座>の下北半島の、<風力発電>に焦点を絞ってみようと思った。

 それでなくても、報道記者の立場にないボクに、<原発>や<関連施設>見学のチャンスはない。
 周辺・近辺の民情・世情から、その真実の一端を探りとるしかないのであった……

 六ケ所村には、ちょうど昼どきに到着。
 主要道路沿いにある(ほかには…これといった店らしきものも見あたらナイ)コンビニエの店だけが、異様とも言える賑わいを見せていた。もちろん広い駐車場も満杯状態。

 役場に行って「風力発電のある所、見やすい所」を尋ねる。
 (その役場の一隅にも、ささやかな〝原子力防災倉庫〟がある…)
 だいたい「この辺りなら」という場所を教わって実地に探しまわる。

 「とても大きな風車」である風力発電施設は、とうぜん町中や人家の近くにはない。
 あるのはたいがい、だだっ広い草っ原みたいな所。部外者が近づけないように、林や柵囲いなっていることが多い、とはいえ、逃げ隠れできないデカブツのこと、ズバッとみごとな見晴らしのえられる場所があるはずだ…と思っていたのだ、が。

 なにごとも、現実はけっして予断をゆるさぬ。
 「ある」ことはたしかに「いっぱいある」のだけれど。
 いざ近づこうとすると、容易に近づけない、遠くからしか望めない。
 あんなに図体のデッカイやつが、大自然のなかではなんと小粒で、なんと邪魔な夾雑物が多く、なんと絵になりにくいことか!

 ちなみに、統計数値で見ておけば、六ケ所村には現在。
 3社計77基の風力発電施設で総出力11万5000kwの能力があり、うち二俣風力開発の34基は大容量蓄電池併設。
 
 なにしろ、とどのつまりは。
 いいかげんイヤになるほど探しまわって、その挙句。
 (だめだ、こりゃ、どうにもならん)
 かなりシツコイ性格の男だと、ひそかに自認していた、そのボクが、ついにネをあげた、無念の白旗であった。
 こういう場合、ワルあがきをせずに、やり直す、ほかないのであった……

 当初、1997年には完成するはずだった再処理工場は延期…延期…を14回も繰り返し、東京ドーム158個分という740万ヘクタールの広大な土地に、これまでの40年間に投入されつづけ、なおさらに増えるであろう総事業費(運営費も含む)は13兆9千億に見なおされた。
 (これ、すべて、国民の電気料金で賄われる!)

 民間の事業なら、疾うに破綻してしているものが、生きのこっている唯一の理由は、これが国の原子力政策に依拠しているからである、だからヤメるわけにいかない。

 この「再処理工場」と関連施設群に現在およそ2700人が働いている、という。
 その人たちの、昼休み。
 まわりには多くの緑があり、原子力立地の交付金で出来たさまざまのレクリエーション施設もあるのだ、が。

 彼らは、みなひとしく、弁当を買いにコンビニまで歩き、また歩いて戻って、事業所内に消えて行く。
 心なしか、その姿、若い人も多いにもかかわらず、だれ一人として空を見上げる者とてなく、またしっかり前を見すえるでもなく、ただ、やや視線を俯かせ気味に見える。
 耐えている…ようにしか見えない姿が、ぼくの前を避けるように道を行く……

 これが六ケ所村の、すべてとは言わないが、日々のひとコマには違いない。