-No.1048-
★2016年08月04日(木曜日)
★《3.11》フクシマから → 1974日
★ オリンピック東京まで → 1450日
◆包丁が好きだ
ナイフより、やっぱり、包丁がいい。
料理に関心のあるお宅なら、複数の包丁をお持ちだろうが。
わが家には、魚をさばく出刃が2本ある。刺身をひく柳葉がある。マキリまである。皮とり包丁なんてのもある。
マキリは、ご存知ない方が多いかもしれない。
アイヌ語で「小刀」を意味する刃物で、サバイバルナイフに近い形をしているが。
これ(アイヌマキリ)がもとになって、魚をさばく包丁(主に漁師が愛用する)やマタギ猟師の狩猟刀に重宝された。
出刃ではめんどうな小・中型魚をさばくには、これ一本あればいい。
包丁が多いのは、板場の経験があるのと、一時期、二ヶ所に住み分けたせいもある。
古稀の歳になって、包丁も整理の対象になった。
出刃は、小型の方をのこして、中型の方をひとにゆずって、使ってもらうことにした。
ものは、わるくない、のだ。
ただ、ぼくのつかい癖がついているか、と思われたので。
買いもとめた店に、研ぎなおしてもらった。
(上掲の写真は家にのこした木屋製小型のほう、研ぎなおした方の写真は撮り忘れた…)
店は上野の「菊季〔きくすえ〕」。
中央通に面して、松坂屋の並び、落語の定席鈴本演芸場の斜向かい。
この界隈、かつては通いなれたところで、若い頃が懐かしく。
不忍池にも寄ってみたら、蓮池の蓮が元気いっぱいに背をのばして、夏も近づく熱気をはじきとばしていた。
いつもなら池畔の伊豆栄、うなぎ白焼でかるく一杯、というところだが…。
なかなかへらない腹のふくらみ撫でて、我慢する。
……………
というようなことで、研ぎなおした出刃。
ゆずった相手というのが、亡くなった義兄の孫。
近く飲食店をはじめるというので、はなむけに。
それでも、まだ……
わが家の包丁、キッチンの抽斗ひとつを占有している。