どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

《3.11》2014晩夏の巡礼-1日目-③亘理町(宿)/こういう宿がもっともっとあっていいニッポン

-No.0376-
★2014年10月02日(木曜日)
★《3.11》フクシマから → 1302日
★オリンピック東京まで → 2122日




◆「ない」ものアレコレ…でも、さっぱり気もちいい

 まず、部屋に入ってスリッパがなかった。
 靴を脱いだら、室内は靴下(もしくは裸足)で歩く。バリアフリーで靴脱ぎの段差がないぶん、ちょっと戸惑う。
 
 ボクは、かさねた年輪にさらに輪をかけて、相当に旅慣れているつもりだったが、それでも。
 こういう宿は初めて。
 興を覚えて、ひととおり備品をチェックしてみたところ。

 〈ないもの〉
 歯ブラシ・セット、カミソリ、寝間着、湯沸かし
 *部屋に飲食用の熱源はない、かわりにラウンジに電子レンジの用意がある。
 
 〈常備品〉
 タオル、シャンプー&リンス、ヘア・ドライヤー、テレビ、小型冷蔵庫、エアコン、ネット接続
 *テーブル、鏡、置き台もあって、部屋の使い勝手はよい。

 つまり「アミューズメントは省かせていただきました、ご自身の車にご用意を」ということ。

 それで…べつに不都合もなく、最初はあった軽い失望感が、持ち込みの夕食をとり、翌朝を迎える頃には、気軽なやすらぎ感になっていた。

 朝食には、ラウンジにコーヒーなどの飲み物と、パンの軽食が供される。

 その日の宿泊客は、気ままな旅人ふうと、ビジネス・工事関係が半々といったところか。

 ファミリー・ロッジ「旅籠屋」。
 仙台亘理店は、阿武隈川の河口に近い国道6号沿い。
 交通の便、申し分なく、めいっぱい旅人の自由が確保されている。

 このチェーン・ホテルのコンセプトは…。
 MOTアメリカのMOTELを手本に、マイカー旅行者が気軽に利用できる宿。日本で初めての素泊まりミニホテル、と自己紹介している。

 近い形態というなら、ビジネスホテルだろうが、たとえば大手の「ルート・イン」などにしても、わが国のそれはあまりにコンパクトすぎて、身も心も縮むようではないか。

 そのてん「旅籠屋」にはゆとりがある。
 ぼくらがこんど利用させてもらったのは、バス・トイレを含め25平方メートルほどの広さの部屋に、大きめ(幅150センチ)のベッドが二つ。
 部屋代は室料制になっていて、レギュラーシーズンで1室1万500円(1人なら5350円)、利用人数によって料金がかわる。
 ちなみに、支払いはチェックイン時に現金、クレジットカードは使えない。

 「いい」と思う、ボクは☆☆☆を付ける。
 こういう宿が、これからのニッポンには、もっともっとあってほしい。
 2020年のオリンピックイヤーに向けての気の利いた「おもてなし」にも、ぜひダ。

 これまでのボクは、ずっと主に日本旅館を贔屓にする道を歩んで、励ましつづけてきた。
 その後、車での旅が多くなるにつれて、布団よりベッド派になり。
 いまは旅の自由度の高さから、1泊朝食付きのホテル・タイプか、さもなければ思いきってキャンプ派である。

 こまかい〈宿泊論〉は、また別の機会にゆずるとして。
 こういう旅人の自由度を確保するタイプの宿が、もっともっとあってほしい。

 日本の宿は「旅がまだ珍しい時代のまま」に留まってしまっている。
 贅沢と限定で売る特別気分の宿や、中途半端なサービスを〈もてなし〉とこころえている多々宿泊施設も含めて、ニッポンの宿はこれから、もっともっと二極化すべきだと思う。

 どういう層の、どういった人々を、自分の宿は主な客筋にしたいのか、で。
 とくにも、たせつにされたいのが旅人の自由度。
 これがニッポンの宿には決定的にたりない。