どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

式年遷宮の余韻嫋嫋なお静まらず

ひっぱり★2013年11月14日(木曜日)
★《3.11》フクシマから →  980日
★オリンピック東京まで → 2444日

*超大型の台風30号、わが国から見れば方角が逸れた恰好でフィリピンを猛烈な暴風大波が襲った。報道で見る(太平洋戦争の記憶がのこる)レイテ島の、瓦礫と化した民家群の上に乗りかかった船…の被災風景が《3.11》の再来を思わせて酷い。しかも被害の大きさは遥かに大きく、発展途上国の備えの不足が痛々しい。地球同胞への篤い救援支援の手を*









◆ごくスムースな現代の“舟参宮”

 11月7日(木)、雨の“舟参宮”。
 伊良湖港からのフェリーは1時間弱で鳥羽の港に着き、(この先は電車とバスを乗り継いで行くつもりでいたら)直に、伊勢めぐり「参宮バス」フリー・キップの便があるという。

 考えてみれば、それはとうぜんのことだったが、そのかわりにチョイと予定どおりにはいかなくなった。参宮のマナーからすれば、まず外宮(豊受大神宮)を先に詣でてから内宮(皇大神宮)へ、という順になるわけだけれども、バス便がなんたって内宮中心の運行になっている。
 くまなく巡るより、いいとこどりしたいのが人情で、そこは“お伊勢さん”のほうでも大方の事情に配慮しているらしく思われ、ゆえに内宮の方が先になった。

 内宮までのバスが鳥羽から30分ちょっと、計1時間半の後にはもう人混みのなかにいた。
 厖大な数々の式年遷宮行事をおえて一段落、ほっとひと息ついてる頃かと思ったらとんでもない、大小の団体・グループいうにおよばず、数多個人の参詣もどっと繰り出して、上方落語ふう音曲入りみたいにじつになんとも賑賑しい。
 “おかげ詣り”の人波たえずというところ、さすがにすごいね。

 下乗の大鳥居前に、(おじゃまいたします)恭しく一礼する先達あれば、あとの人みなこれに倣うあたり、ほかの神社・神宮とはまるで格の桁が違う。

 宇治橋五十鈴川を渡る。五十鈴川のもとは内宮の御手洗(みたらし)。
 現代の御手洗「手水舎」で手を浄める、赤いおべべの女の子がかわいい。
 そうか…七五三詣りか。

 内宮は皇大神宮天照大御神を祀る。
 ただしくは「天照坐皇大御神」、(あまてらしますすめおおみかみ)とよむ。舌がもつれそうだ。

 式年遷宮の儀をすませたばかりの緑濃い境内には、桧の木香がみちている。
 いたるところに桧の素木(白木=しらき)がふんだんに使われ、見たかぎりすべて無節。

◆東「米座」と西「金座」を往ったり来たり

  式年遷宮というのは、単に内宮・外宮の正宮を造り替えるだけではない。別宮以下の諸神社正殿、鳥居、御垣など計65棟にもおよぶ殿舎の新たな造営なのだ。ほかに装束や神宝の造り替えもある。宇治橋だって架け替える。
 今回の総予算はおよそ550億円とか。これだけの国からの後押しをうけての、国民の拝観無料はとうぜんでもあろうか。

 正宮にお参りする方々の礼法を見ていると、正しい作法ができている人は少なく、お寺さんと混同している人、(どうすればいいんだっけ)と神前で迷っている人など、さまざま。だが、そこらの神社のように「正しいお参りのしかた」を貼りだしてもいない、鷹揚さもさすが格別。
 だれかれ思いつくかぎりの人の名らしきを、ブツブツ称えて長いこと拝みつづける老婆もいたが、たいがいの人は(ここは個人的な願いごとをするところではない)と心得ているらしく、初詣のような現世欲“神頼み”の生々しさはなかった。
 ボクとおなじく(賽銭はかえって失礼)と感じている人が多いとみえて、賽銭箱に銭を投げる人も少なかった。おなじワケからであろう、“お伊勢さん”には御神籤もない。
 
 正宮から右へ、遷座されてもはや神さまの居なくなった旧正宮へ。
 といっても門を閉ざされて中は見えず、「唯一神明造」の千木・鰹木を載せた屋根が高塀越しに望める程度だったが、日頃の手入れに怠りなかったからであろう金の金具はピカピカ、桧の材にも傷みはめだたないようだった。
 
 ご神体を祀る正宮正殿の敷地は東西にわかれてあり、東が「米座(こめくら)」、西は「金座(かねくら)」。20年ごとの式年遷宮で、正殿は東(米座)と西(金座)を往ったり来たりをくりかえす。こんどの遷宮では、神さまは東から西へと遷られた。つまり「米座」から「金座」へ。

 そこに、ときどきの世のありさまが投影されて映る…のはとうぜんとして、それを分析する研究があるというのは、こんど初めて知った。学問というのはまっことフシギな世界だ。
 昔から「遷宮で世の中が変わる」いわれている、その説によれば「東・米座のときは“精神性の時代”、西・金座のときは“物質欲の時代”」ということらしい。
 そして、こんどの遷宮では「金座」に、すあわち“物質欲の時代”の幕が開いたことになるのであろう。なにやら「金座=安倍政権」の構図は意味深ふうでもある。

 前例の比較もなされている。
 〈金座の時代〉               〈米座の時代〉
 1849~1869 黒船来航、戊辰戦争
                       1869~1889 文明開化、近代化 
 1889~1909 日清・日露戦争
                       1909~1929 大正ロマン
 1929~1953 第二次世界大戦
                       1953~1973 高度経済成長期
 1973~1993 石油ショック、バブル景気
                       1993~2013 東日本大震災、不況
 2013~2033 ? ? ?

 一覧するところ、イチガイニハイエナイような、ヨクワカランところもあるけれど、そうヨモウトスレバヨメナクモナイ。

 この年表の「???」には、とりあえず「不況…失われた20年からの脱却」なんて言葉がウレシそうに入るのだろうが、まだ次の20年は始まったばかりだ。

 ついでに指摘しておけば、今年は出雲大社60年ぶりの遷宮の年でもあった。
 地球は急激な変動期にさしかかったようでもあり、どうなるものかわかりはしない。


 (つづき外宮の記は…また明日)


*写真、(上左)は内宮宇治橋五十鈴川の流れ、(上右)は内宮手水舎で手を浄める七五三詣りの親子、(下左)は式年遷宮後の新しい内宮・正殿=西の金座、(下右)は役割をおえた内宮・旧正殿=東の米座