どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

歯ぶらし一本“旅の身じたく”

★2013年11月13日(水曜日)
★《3.11》フクシマから →  979日
★オリンピック東京まで → 2445日

青函トンネル内の「竜飛海底駅」(青森県)が公開を終えた。海面下135メートルの、いってみれば地下壕のようなものだし、わずかに見学ツアーの限られた客にだけ開かれた世界だっから、知らなかった人も多いだろう。ぼくは、もうひとつの北海道側「吉岡海底駅」には降りたことがある。海底より深い地底に立っている…ということのほかには別に感慨もなかった。湧水の滲んで滴るその壁面には、青函トンネルの完成と引き換えに廃止された青函連絡船の残念が塗り込められているようにも想えたものだったが、こちらの駅はもう先に公開を終えている。次は北海道新幹線の出番、2016年春の開業を目指して準備の進むなか、海底駅は消えていく*




 (2013年11月6日、つづき)
 このたび“舟参宮”の宿は、休暇村伊良湖に往き還りの2泊。
 送られてきた確認書類のなかに、環境配慮にとりくむ「エコチャレンジ」の案内リーフがあった。
 
 ハブラシ、フェイスタオル、ヘアブラシ、ヒゲソリなど。
 宿で用意のアメニティーグッズを使わず、自身の用品を持参してくださるお客さまには、還元ポイント制のプレゼントをさせてもらいましょう、というサービスである。
 「いいんじゃないかぃ」
 ということでさっそくに準備の、旅支度がいつもと違うことになるかといえば、じつはなぁんにもかわりはしない。
 洗面用具やごく個的なアメニティー類などは、いつだって自身のものを持って行く。
 多くの方が、そうであろう。
 宿の使い捨てアメニティーはもったいないし、形ばかりのサービスにすぎず、芸もない。
 それでいて、でも、用意されたフェイスタオルやハブラシを、要らないから置いていく人よりも、せっかくだからとアテもなく貰っていく人が多い。家に帰れば、いずれどこかに仕舞い忘れられるのがおちであろう。
 つまるところ、無駄なのだ。

 思いだすことがある。
 旅の記事を書いていた1970年代に、ぼくは「宿の歯ブラシいらない」運動みたいなのを呼びかけたことがあった。
 ぺがぺがで1回の使用にも耐えないような安物(セットのタオルもおなじく股間が透けて見えそうなほどに薄小)だったせいもあるが、旅人の在り方(スタイルといってもいい)としても、もちっと個性的であってほしかったからだ。
 世の中の情勢も、おしきせ団体旅行から個々人それぞれの個性的な旅へと、かわりつつあった頃である。
 (その後にバブルがはじけた)
 旅人には「歯ぶらし一本から自分らしさが感じとれる身支度を心がけよう」と訴えた。
 宿には「安物ハブラシ&タオルなんかで品格を下げるくらいならヤメにして、持参をお願いするかわりに別趣なサービスを」と働きかけた。

 けれども(こちらにも影響力がなかったわけで)無駄骨におわった。
 宿の主は頭がこちこちに固くて、サービスの心もソフトにきりかえるゆとりがなかった。
 客のほうも似たり寄ったりで、ようやく芽生え始めたほんものの旅ごころに、マッチする自身であろうとするほどの意欲はまだなかった。
 経済的にゆたかになっても、貧乏くさい趣味はあいかわらずだった。

 そのうちに段々と、ハブラシもタオルも品質はよくなって、なんのことはない、いまの若い人たちのなかには洗面用具なんか持ち歩かない連中も少なくないらしい。
 「ビジネス旅行」なんてオカシな表現もまかり通っているようだが、“旅しごと”なんぞは旅行会社の連中か巾着切くらいに任せておけばいい。

 …とはいえ。
 そういうボクなんかも、最近はもうすっかりあきらめの境地で、宿のハブラシもタオルもしっかりいただいて帰るクセがついてしまった。
 もっともボクの場合には、木工などの手作り仕事に古ハブラシや古タオルの使い道はいっぱいあって、ぜんぜん無駄どころかありがたいくらい…なのだけれども。

 そうして、もうあれからかなりの時を経ていま、ようやくの環境意識だってさ。

 ぼくたち爺っちゃ婆っちゃは、フロントの若い女の子にニコニコとほほ笑みかけて節約ポイントを申請、(こんどはマイカーの旅ではないのでバスタオルと浴衣は持参できなかったが)連泊の部屋の清掃も、リネンの交換も不要にして、それらのポイントでリサイクルコットンバッグと浴用石鹸とを貰ったのだった。

 そんなこんなのヨイショコラショがありまして…ね。
 明日はいよいよ“舟参宮”、“お伊勢まいり”のお噂デス。

*写真は、伊勢湾フェリーほか島々通いの船でも賑わう伊良湖の港*